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2011-06-28

最近、買った絵本。

『もりのなか』マリー・ホール・エッツ文・絵/まさきるりこ訳(福音館書店)
紙の帽子をかぶった少年が森の中をらっぱをふきながら歩いていると森を歩くさまざまな動物たちがついていく・・・というお話。とてもシンプルだけどやさしい絵。この物語のポイントはちいさなうさぎ。きっと。
やさしいとてもやさしい物語、だと思う。

『百年の家』J.パトリック・ルイス 作 長田弘 訳(講談社)
1900年に発見されたとても古いつくりの家。1900年にこの家を見つけた人々とともに「生きた」家を描く。
前述の『もりのいえ』がとてもシンプルな絵だったのに対し、本作の絵は実に精密。とても深みのある絵に引き込まれる。そして・・・・。

どちらも職場の英文学がご専門の北脇先生にお薦めいただいた作品。本当に良作。ぜひ読んでみてください。

2011-06-15

『箆棒な人』

『戦後サブカルチャー偉人伝箆棒な人』竹熊健太郎 河出文庫
クイック・ジャパンに連載されていたインタビュー集。

世紀の奇人・変人かつ偉人に対する竹熊健太郎氏のインタビュー。
マルチプロデューサーで、「アントニオ猪木対モハメド・アリ」や「オリバー君」、「アントニオ猪木対アミン大統領」など、相手は、キワ物の興行師である康芳夫氏、挿絵画家でその分野は紙芝居から少年少女雑誌、SM雑誌、ホモ雑誌まで幅広い石原豪人氏、月光仮面などのヒーローを生み出すとともに「おふくろさん」などの作詞家であり政界や右翼・左翼双方に幅広い人脈を持つ川内康範氏、全裸の超前衛芸術家・糸井貫人氏という破格の人たちばかり。

しかし彼らの胸襟を開かせた竹熊健太郎氏。
うわべだけの奇人変人を集めたインタビュー集とは一線を画す読後感を与えるのは、竹熊健太郎氏が積極的に相手を理解しようと努め、奇人変人であるがゆえにさびしがり屋である彼らの心を許させたのはひとえに竹熊氏が根っからの人好きというか、相手を思いやる心と度量ゆえだろう。
本書はまさに竹熊健太郎氏という人の度量を示す一冊といえる。
そして本書は彼を支えた理解ある周囲の人間たち、とくに赤田祐一氏という全力でクイック・ジャパンの発刊に打ち込んだ1人の編集者の力によるところが大きい。

竹熊氏自体、破格の人なのかもしれない。そんな彼とどこまでもつきあえる度量を持てる理解者。

自分に置き換えてみると、竹熊氏のような破天荒な人も多くいる職場でそういった人に100%の力を出し切れる環境を提供できているのかと思うと、とてもとても自身の能力は及ばない。もっと大きい人間になりたい。本書を読んでふとそんなことを思った。

2011-05-08

『回思九十年』

『回思九十年』白川静 平凡社
前にヨシムラ先生からお薦め頂いた本書。私の履歴書など、「漢字」に一生を捧げた白川静氏の記録。私の履歴書など、ということで、先に手を出したのは中村元氏、梅棹忠夫氏、梅原猛氏との4人の私の履歴書を日本経済新聞社の文庫版を手に取ってしまったのだが、本書はその私の履歴書などの白川静氏のみの記録をまとめた1冊。

深い。本当に白川氏の一生は深い。
ドラッカーもまた、その一生は深い。
90年という生涯をただただ同じテーマに捧げた人生の深さ。
その大きさ、深さにはただ頭を垂れるしかない。

圧倒された1冊。

『これからの「正義」の話をしよう』

『これからの「正義」の話をしよう いまを生き延びるための哲学』
マイケル・サンデル 鬼澤忍 訳 早川書房

べたですけどね。読みました。知り合いの方が「結構、おもしろいです」といっておられて、なるほど、と。
1つ1つの章が短くて読みやすい。考えさせられる箇所も多々。大学の授業という意味で、この授業を通じて哲学と触れることができるのはありがたいだろうな、と思う。入門書として、まさに現在にぴったりの書であったと思う。
10代後半に読んでおくとその後の人生が深みを増すんじゃないかな。

2011-05-07

『百年の孤独』

『百年の孤独』G・ガルシア・マルケス 鼓 直 訳 新潮社
藤谷治さんが講演で「壮大なほら話」と確か言った。
気になって買った本作。ノーベル賞作家であることは後で知った。無学である。

マコンド。架空のこの村を舞台にこの村と運命をともにしたブエンディア家の盛衰を描く。
その村はブエンディア家のはじまりとともにあり、そしてブエンディア家の消滅と共に消滅した。何代にもわたるブエンディア家の物語。さまざまな生き死にを繰り返すがどれもどこか似通っている。特に男たちは何種類かのパターン化された人生を送る。中にはその中でも強烈な生涯を送るものもいるが、幼き頃、若き頃、熟年時代、老いの時代。どこか似ている。そしてそれはみなどこか哀しい。

何が学べる、という本でもないと思う。そして何か深く刻まれるような場面も特にないと思う。まさにこの本そのものが「蜃気楼」のような印象を与える不思議な一冊。

『くすぶれ!モテない系』

『くすぶれ!モテない系』能町みね子 文春文庫

知り合いの方のおすすめ。
CanCamやViViを読めないすべての女子に捧ぐ-とある。
モテないことを自覚し、それでもそれを気にせぬそぶりで生きている負け犬といわれるほどばりばりのビジネスマンでもなく、かといって完全に女を捨てきったわけでもない、そんな私にしてみるとなんとも好ましい女性の姿を自嘲的に描いた一作。
愛すべきモテない系女子の姿はとても楽しい。
願わくばそのままモテないままでいてほしい。といっても全くモテないのではなく、男性経験もそれなりにあったりする。でもそんなにモテるわけではない。なんとも素敵。

モテない女子はもちろん、そんなモテない女子が好きな男にも楽しめる一冊。

2011-05-04

『ほたるの群れ1』

『ほたるの群れ1』向山貴彦 幻冬舎文庫

つづきものなので印象だけ。
中学3年生の少年、高塚永児。彼の家庭はもはや「ごく普通の」とはいえなくなっている。
しかし崩壊しつつある家庭で彼は家族を愛している。精神的には限界を迎えつつある。
学校生活でも彼には悩みがある。勢いで1年生の時に告白をしてしまった(そしてふられた)所在無げな美少女・小松喜多見と3年間ずっと同じクラスなのだ。さらにはそれを知る友人・「会長」千原行人にそのことをいじわるくからかわれ続けている。
喜多見は、たまたま見てはならない場を通りかかったため、「会」と呼ばれる集団に命を狙われる。
「会」。その集団の背景は謎である。人を殺すことになんのためらいも持たない殺人集団。
ついに会に拉致された喜多見。彼女はふところに携帯電話を隠し持っていた。唯一、助けを求められる相手。それは永児。だけだった・・・。

という話。文体は読みやすく、キャラクターもわかりやすい。
1か所だけ、どうしても耐えられない場面がある。まあ、私だけだろう。
なんせこういう展開なんで、むごたらしいシーンというのはあるよね。

本書は「エブリスタ」というDOCOMO向けの携帯サイトで連載されている作品を大幅加筆修正したもの。

つづきが楽しみ。

2011-04-26

『ほたるの群れ』

基本的に読んでからここは書くようにしてるんだけどまだなんです。

だって嬉しかったんだもん。向山貴彦氏の新作なんだから!
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『ほたるの群れ 1』幻冬舎文庫

2011-02-09

『人身御供論』

『人身御供論』大塚英志 角川文庫
個人の成熟に関してかつてあった通過儀礼のない現代の日本で宗教や自己啓発セミナーに集まる人々。
あるいは未熟さとつながるかわいさをまわりのものに求めた1970年代の女性たち。図らずも今は国家単位でかわいさを追求しているわけだが。
通過儀礼とは。そして人身御供とは。
昔話「猿婿入」を最初の題材にし、ホットロード、タッチ、メゾン一刻、トーマの心臓、わたしは真悟、鉄腕アトムから、ホテルニューハンプシャーまで。
物語における人身御供は、成熟のための移行対象であると、氏は説く。

久しぶりに読んだ大塚英志氏の評論は実にわかりやすくおもしろい。
そして、我が身を振り返り、自分もまた、未成熟な大人であると、改めて気づかされ、つらい。

2011-01-12

『教育の職業的意義』

『教育の職業的意義ー若者、学校、社会をつなぐ』本田由紀・ちくま新書

教育に職業的意義は必要か?
企業は特に大学に職業訓練を期待していない。
だからどこを出たか、ではなくどこに入ったかが問われる。つまりどんな大学に入れる程度の頭を持っているか、大学はその程度にしか見られていない。多分、それは評価者の実体験に基づく判断だろうし、それが間違っているなどとも言えない。多くの人々が実際にそう感じていることだろうから。

新書にふさわしく、本書は問題提起をしているに過ぎない。高等専門学校の有用性について書いてはいるが、私には納得できるほどの内容ではない。
結局、社会、教育機関、受益者(≒若者)のいずれの視点に力点を置いているのかも見えない。
なんとももどかしい1冊だと思ったが、あとがきで得心がいく。
やはり読むべき1冊。

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