『百年の孤独』
『百年の孤独』G・ガルシア・マルケス 鼓 直 訳 新潮社
藤谷治さんが講演で「壮大なほら話」と確か言った。
気になって買った本作。ノーベル賞作家であることは後で知った。無学である。
マコンド。架空のこの村を舞台にこの村と運命をともにしたブエンディア家の盛衰を描く。
その村はブエンディア家のはじまりとともにあり、そしてブエンディア家の消滅と共に消滅した。何代にもわたるブエンディア家の物語。さまざまな生き死にを繰り返すがどれもどこか似通っている。特に男たちは何種類かのパターン化された人生を送る。中にはその中でも強烈な生涯を送るものもいるが、幼き頃、若き頃、熟年時代、老いの時代。どこか似ている。そしてそれはみなどこか哀しい。
何が学べる、という本でもないと思う。そして何か深く刻まれるような場面も特にないと思う。まさにこの本そのものが「蜃気楼」のような印象を与える不思議な一冊。
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コメント
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アウレリャノが何人も出てくる物語だね。
マルケス作品は最後の疾走感が強烈なものが多いけど、これは特に加速度がずば抜けてる印象。
投稿: ミヤモト | 2011-05-07 17:28
おお、疾走感・・・そういう読み方ができるのか・・・。崩壊の仕方がすごいよね。
投稿: sheep | 2011-05-07 19:28