『人身御供論』
『人身御供論』大塚英志 角川文庫
個人の成熟に関してかつてあった通過儀礼のない現代の日本で宗教や自己啓発セミナーに集まる人々。
あるいは未熟さとつながるかわいさをまわりのものに求めた1970年代の女性たち。図らずも今は国家単位でかわいさを追求しているわけだが。
通過儀礼とは。そして人身御供とは。
昔話「猿婿入」を最初の題材にし、ホットロード、タッチ、メゾン一刻、トーマの心臓、わたしは真悟、鉄腕アトムから、ホテルニューハンプシャーまで。
物語における人身御供は、成熟のための移行対象であると、氏は説く。
久しぶりに読んだ大塚英志氏の評論は実にわかりやすくおもしろい。
そして、我が身を振り返り、自分もまた、未成熟な大人であると、改めて気づかされ、つらい。
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コメント
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投稿: Evelyn | 2014-01-23 00:24