泣く。
昨日は京都精華大学の卒業制作展を見に京都市美術館へ。雨のためぐずぐずしていたので着いたのは15:30。閉館は17:00。建築学科からはじまり、洋楽で終わるという自分の見学コースは多分大体毎年同じ。建築学科の模型はいつもわくわくするのだが、ここで集中し過ぎると後がもたない。ある程度、温存しながら拝見。プロダクトやビジュアル、立体造形、陶芸、映像の表現の多様さでかなりくたくたになり、テキスタイル、日本画、洋画に癒される。陶芸の作品の中には若くして亡くなられた西田潤さんに通じるものを感じる作品が何作かあり、はっとなる。テキスタイルの大作染め物は色鮮やかで楽しい。洋画、日本画の作品も力作がたくさんあり癒された。
今回、マンガ学部はマンガミュージアムで開催。ちょっと無理かなあ、と思っていたが出る前の学生さんとの会話で思い立ち行くことにした。到着は17:10頃。館全体が展示スペース。三年前だったと思うが通り魔に殺されてしまった千葉大作さんの作品も。一浪してバイトをしながら頑張り入学されたのに、亡くなられた千葉さん。今年卒業だったんだよなあ…。
人の流れに着いていくとアニメーション学科の上映中。最後の上映が40分であと15分らしい。覗いてみる。
泣いた。
すごい。
伊藤さんという方の「最後の星採り」(タイトルは記憶が曖昧)という作品で実写。どこかの山荘に住まう草原で星を採り星座をつくる名人のおばあちゃんとその弟子たち。後半にあたる見はじめたあたりでは多分、大学生くらいの年齢っぽい1人の女の子がその暮らしから逃げ、都会で暮らすため山荘を出てしまう。しかし師匠たち残された仲間は変わらず星座を作り続けている。数年がたち、仲間の1人は師匠から一人前の星採りとして認められ、山荘を離れる。師匠から、明日からライバルだと微笑まれ、弟子は空で会いましょう、と自分の星座の完成を誓う。
そしてどこかの町。山荘を飛び出した少女が星空を見上げる。空を満たす星座たちに涙がこぼれる。小さな声で「ごめんね」とつぶやく。
そして師匠と仲間たちは今日も星を採り続けている。
という物語を丁寧に描く。役者たちの演技はぎこちなかったりしたけど、映像、物語はとても良かった。
スタッフロールも凝っていて、ここだけいわゆるアニメーションなんだけど絵が良い。歌も歌詞は聞き取れなかったがとても良かった。自分が涙もろいことを加味しても質の高い作品だったと思う。
多分、卒業という意味合いがこもっているのだろうと思うし、夢を捨て、都会で暮らすか、星を採り続けるか、というあたりにアニメーターとして生きていくかどうか、という思いが感じられこれまた泣ける。アーティスト、クリエイターを目指す人々の共通の悩みだよね。そう思うと、あえて一人前の社会人として生きる飛び出した少女の姿があったらあの涙はより意味があったかも。大学での楽しそうな姿とか、会社でバリバリ働いているとか。
ともかく、行って良かった。
2階の展示もなかなか。カートゥーンの作品はやはり技術の高さが素晴らしい。日々培ったデッサン力やユーモアにくすりとさせられる。
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