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2009-12-09

『この人を見よ』

『この人を見よ』ニーチェ 手塚富雄訳・岩波文庫
ニーチェが狂気に陥る少し前、自分と自分の論文について分析した作品。
「なぜ私はこんなに賢明なのか」など、精神を疑いたくなる章立てが多く、母国ドイツの国民性を否定する箇所も多い。最初は皮肉を織り交ぜた理知的な文も次第に熱を帯びる。
最初の方は「ああ、2ちゃんねるにニーチェが書き込んでたら、とことん馬鹿にされそうだなあ」などとつらつら思いながら読んでいたが最終章を読み出す頃にはかなり共感できるようになった。訳者の解説を読むうちにその共感はより強くなった。これは私が支えとなる宗教を持たない人間だからなのかもしれない。

隣人愛、現世での贖罪と来世の救済を求めるキリスト教を否定し、我欲、現世での幸福を肯定するニーチェ。とても健全な考え方だと思う。
まあその程度の理解なんだけど。
彼の文から伝わるもどかしさがなんだか、柄谷行人の『世界共和国へ』を思い出させた。書いている内容は全然覚えていないんだけどね。

この間、ジル・ドゥルーズの『ニーチェと哲学』を読んでいたとき、前学長のN先生に中身が全くわからないとぼやいていたらその論文の生まれた時代に生きていないとなかなか作者の言いたかったことを理解するのは難しい、と言われた。本書巻末の訳者解説やwikipediaを読んでなんとなく共感する助けとなったのだが、同じ時代に生きていない自分にこの解説やwikipediaが当時の空気を知る助けとなったと感じられ、おもしろかった。
加えて同時期に現学長のS先生から、解説本を読むより、作者の生の声をたくさん読むことが理解できる道だと教えられる。最近少しずつ哲学の本に触れだしたのだが、確かに回数を重ねることって大事。再読するよりいろいろな本を初読した方がいいんじゃない、というのもなかなか興味深い。さらに、哲学の本は人生について考えてる本が大半でそう読むとあまり面白い本でもないけど、文章とかについて考えてみるとなかなかに興味深い、というのもなるほどと思える。
奇しくも、二人の学長と哲学がらみの話ができたのはこのところの読書体験が与えたささやかな幸せというべきかも。もっと読まなきゃ。

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