『美を生きるための26章』
『美を生きるための26章 芸術思想史の試み』木下長宏 みすず書房
同僚が持っていた「なんという本ですか?」と問うとこの本。すごく薦められた。特に私が最近、芸術に関してもっと知りたいと伝えると、「それならぜひ」と。
作者の木下さんは横浜国立大学を退官された後、「土曜の午後のABC」という誰でも気軽に美について語り合う場を設けてきた。その第1期の内容をまとめたのが本書。
与謝蕪村、北一輝、ミシェル・フーコー。ラスコーの壁画、敦煌莫高窟、大乗(旧字)寺。ドン・キホーテ、マルセル・プルースト。さまざまな人、遺跡などを26個分の頭文字を揃え、美について考える。文章はわかりやすく、とても入りやすい。そしてとても真摯に向き合っている姿勢。
何箇所か思わず涙が出た箇所がある。イエスのこと。ゴッホのこと。尹東柱のこと。個々の興味深い内容について書きたいことがあるが機会があればいずれ。
5,000円という定価には少しびっくりしたけど、でもその価値は十分に感じられた1冊。
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