そんでまた。
連休中に村上春樹『世界の終りと、ハードボイルド・ワンダーランド』を一気読み。鼠シリーズが好きだった初読当時、よくわからなかったのもむべなるかな。全然違うもん。当時、村上春樹といえば『風の歌を聴け』で、あれが最高に好きだった。
二つの世界が同時に流れ、近未来で、何やらやみくろとかいう怪しげな生き物が棲み、しかも出てくる女の子があっさり主人公と寝ちゃう。もう1つの世界は閉じていて暗い。
ラジオも流れず、バーも無く、ビールもビーフシチューも無く、叔父の思い出も無く、奥さんとの思い出も語られず、ビーチボーイズも流れず、もちろん鼠もいない。「これは私の読みたかった村上春樹ではない」という思いや、当時、よく読んでいた近未来SFやラブクラフトと比較してどちらに比べても描写、展開がいまいちなどと思っていた自分の気持ちもわからなくもない。
しかし『風の歌を聴け』熱も冷めた今、改めて読んでみると、良い本。私がかわいそうな気がするし、僕には他の選択肢もあった気もする。しかし、私は最後に電話もでき、それなりに気持ちよさそうな終りを迎えられた。僕は僕の周りの世界のことを理解できたからああいう結論を出せた。
それはそれで良い結論だったと思う。
『海辺のカフカ』の方が好きだけどこの本も良かった。改めてそこに気づけた。
コメント
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投稿: Mackenzie | 2014-01-24 09:18