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2009-06-12

『海辺のカフカ』

『海辺のカフカ』村上春樹 講談社文庫
ここにある種の救いがある。

さて、なぜ今更『海辺のカフカ』なのか?第一にブームに乗るのが嫌いだ。
従って今、ハードカバーの『1Q84』を買うのがすごく嫌だ。
で、『海辺のカフカ』はずいぶん前に道端で学生さんから買っていた。
しかし、最近の作家としての村上春樹さんは好きではない。
わけのわからない世界とご都合主義なセックスと死。図らずも彼が処女作で否定した小説に描かれる「セックス」と「死」が簡単に描かれてしまう。しかも、「僕」は大抵、意中の相手と、意中ではないが好感を持っている心がきめこまやかで素敵な女性とも寝てしまう。なんだかそういった流れが気に入らなかった。で、意中の相手と結ばれるか、あるいは意中の相手は死んでしまう。そして友情を育んだ意中ではない女性とは悲しい別れを迎える。
なんとなくそんな印象がある。
今回、そんな村上さんの小説をあえて読もうと思ったのは、前述の通り、たまたま家に眠っていて、しかも『1Q84』を読みたくなかったからである。今は。

で、『海辺のカフカ』である。みるもりさんは本作で村上さんを見直したらしい。「見直した」という言い方は私の表現だが、少なくともみるもりさんも似た印象を持った表現をしていた。
で、私も見直した。以前は極めて内向きで不完全に自己啓発的だった作風は明らかに変わっている。外と確かにつながっているし、しかも自己啓発も非常に「ちゃんとしている」。
彼の作品らしい「僕」である15歳の「田村カフカ」くんとその世界。同時平行的な「ナカタさん」と「ホシノさん」の世界。この物語を魅力的にしているのはこの「ナカタさん」と「ホシノさん」である。
相変わらず、物語にはふんだんに「レトリック」がちりばめられている。今回、「死」や「セックス」や「夢」をようやくレトリックとして素直に受け止めることができた。今までは「?」でしかなかったのだが。ジョニー・ウォーカーの容赦の無い姿には朝の電車でうんざりしたけど、でもとても良い作品だった。
ほとんどのパーツは、以前の村上春樹とあまり変わらない。だけれど全体的に前向きで外につながった作品だった。つまり、とても良かった。

ということで、『1Q84』が文庫化されることを心待ちにしている次第である。

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コメント

sheepさん、初めまして!
同じような理由から、「海辺のカフカ」を読んだhakkaといいます。
半世紀生きていますが、初めて村上春樹を読みました(笑)

なかなか、私のような者には理解不能な所も多々あり
一部、受け入れがたい描写などありましたが
概ね面白かったです。
特に「ナカタさん」は好きなキャラでしたし、「ホシノさん」との珍道中は
すごく癒された気さえします。
大島さんにも好感を持ちました・・・・自分にはまったくない知識豊富な所が特に

村上春樹 もうちょっと、読んでみようかと思っています

hakkaさん、はじめまして!
村上春樹はきっと長い時間をかけて変わっていった作家だと思います。初期の作品、中期の作品、現在の作品。『海辺のカフカ』を読んで『1Q84』、とても楽しみになりました。
人の嗜好はそれぞれだと思いますし、世代によって受け入れられる感性もまた多様だとは思います。
たぶん、理解不能なところは村上春樹の特徴的表現そのものかもしれませんが、ぜひまた他の作品も読まれてはと思います。
「ナカタさん」や「ホシノさん」は小説よりも彼のエッセイの雰囲気を醸し出している気もします。ぜひそちらも!

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