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2009-03-26

真っ白なうそ。

ポール・オースターの『トゥルーストーリーズ』を読んだのだが、どこまでが実話か判断がつかないこのエッセイは村上春樹の『回転木馬のデッドヒート』を彷彿とさせた。村上春樹は他愛の無いうそが大好きでインタビューでもよくうそをつく、と前に読んだ、気がする。「厚揚げ?大好きですね、1日10枚は食べるなあ」とか。
「嘘」と言えば、オースターの『オーギー・レンのクリスマスストーリー』がある。友人が教えてくれた「スモーク」という私の大好きな映画の原作なのだが、素敵なクリスマスストーリーが実はうそだったというのは確か、柴田元幸・村上春樹共著の『翻訳夜話』で読んだのだったか。
柴田元幸氏は「真実は虚構より奇なり」と、解説で書かれていたが、どうもオースターにも真っ白なうそが好きそうなおおらかさが感じられて、つい疑ってしまう。もちろんうそでも構わないわけで、偶然って面白いなあ、と思う。いくつもの偶然。いくつもの暗示的な出来事。救われた話もあるし、逆にひどい目に合うこともある。
大切なのは、そういった偶然に気づき、後日楽しめる心の余裕かも。
さて、他愛ないうそを真っ白なうそというと村上春樹の『村上ラジオ』で知ったが、同じくだりに真っ赤なうそというのは、江戸時代にうそをついた人間は真っ赤な大福を大量に食わせて窒息死させる刑があったという真っ赤なうそをついていた。では真っ赤なうその由来は何かと通勤途中に毎度ながらwikipediaで検索してみると「摩訶な嘘」が語源とあった。途方もない大きなうそ、といったところらしい。
ということで本書をきっかけに私の長年の謎が1つ解けた。良かった。

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コメント

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