『さよならバードランド』
あるジャズ・ミュージシャンの回想 ビル・クロウ 村上春樹 訳 新潮文庫
分厚いの。本編は470ページ。そのあと村上春樹氏のレコード説明とあとがきが
80ページ。名前の出るミュージシャンの索引付き。
それほど著名ではない「普通の」ジャズ・ミュージシャンによる回想録。
村上春樹氏の翻訳の癖か、本人がそうなのか、とにかく客観的に回想するので、
ジャズの一時代の生の空気を感じた気がする。本当に数多くのミュージシャンが
登場し、客観的ながらもユーモア溢れるタッチなので、飽きない。
分厚いので、気が向いたときに開く、といった感じで、暇つぶしのようにだらだらと
読み続ける。本当に楽しそうな生活。権力や金とは無縁。独特の個性が重なり
合う楽しそうな記憶。
村上春樹氏のレコード解説は、私のようなジャズの知識の全然ない人間には
きつい。でも彼の主観的な評価はそれはそれで楽しい。
ところどころに登場する和田誠さんの挿絵もおしゃれで良い。
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