『第二次大戦とは何だったのか』
福田和也 ちくま文庫
第二次大戦中の各国の指導者の解説に多くを割いた作品。
手垢のついたアドルフ・ヒトラーや、東條英機にももちろん焦点はあたるが、
あまり目の触れることのないフランスのシャルル・ドゴール、ヒトラーや東條に
比べ日本ではあまり俎上に上がることの少ないベニート・ムッソリーニにも
焦点はあてられる。フランス文学への関心が強い氏だから、というわけでも
ないのだろうが、ドゴールに関する論評はどこか好意的なものであった。
逆にアメリカへの論述はどこか冷たい。
この本が論文なのか、エッセイなのか、散文なのかはよくわからないけど、
いささか詩的にすぎる感があるにせよ、文体も読みやすく、第二次大戦を
見渡すのに便利な一冊。
氏自身冒頭で客観的・自然史観的な人類史観の危険性について語られて
いることからも本作が決して客観的に第二次大戦を語るものではなく、
あくまで福田和也氏のレンズを通した作品であることは確かであり、あくまで
その点をふまえながら読むことができた。
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コメント
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An analogy of what I witnessed in this game. Iker Casillas is like the best flag defender in a first person shooter. His name is well known and he is? a legend. Messi on the other hand is in a clan called “GOD” and you pray that you never have to come face to face with him.
投稿: Emily | 2014-01-24 02:55