2017年9月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
無料ブログはココログ

メインサイト

« 右手の親指が痛い。 | トップページ | 昔話のしめことば。 »

2006-05-13

昔読んだ昔話。

むかあし、むかし。
あるところにたいそう臆病な男がいたそうな。
その男の臆病さといったら、夜一人で便所に行くのも怖くて便所に行くときは嫁さんを起こして用を足すまで便所の外で待たせるほどだったそうじゃ。
嫁さんもさすがに毎度毎度起こされるのも嫌になってのお。
ある日一計を案じたんじゃ。
その日。
「おい、おまえ」
「なんですか?」
「便所に行きたいんじゃ」
「一人で行って来て下さいよ」
「何を言っとる。いつもついて来てくれたじゃないか。もれそうじゃ。起きてくれ!」
「なんですか、だらしない。一人で行きなさい!」
頑として嫁さんは起きようとしない。今にももれそうな男はぶるぶる震えながら、なんとかかんとか便所へ向かった。
当時の便所は外にあったんじゃ。しかも今と違って外は真っ暗でなんにも見えん。男はこわごわ扉を開けて中に入ってみると頭に何かがぶつかる。すわ、お化けがでたかと縮こまる。だがなんにも気配もない。今にももれるし、おそるおそる見上げてみると、なんとそこには瓢箪が吊ってあった。
「なんじゃ、お化けっちゅうのはさぞかし怖いもんかと思ったらこんな瓢箪か!もうお化けなんか怖くないぞ!」
男の臆病さは見事になくなったんじゃな。

それからしばらくして。そこらで「おぶされお化け」ちゅうのが出るようになった。ひとけのない夜道で、突然うしろから「おぶされ~、おぶされ~」と薄気味悪い声が聞こえよる。振り向いてもなんもおらん。そんなお化けだったんじゃと。

男はそのお化けをやっつけるんじゃと息巻いた。少々、薬が利きすぎたかと嫁さんは心配でしかたがない。
「あんた、危ないよ」
「いや、おまえは知らんじゃろうが、お化けっちゅうのは瓢箪なんじゃ。儂は瓢箪なんか怖くないぞ」
とうとう男は麻縄を担いでお化け退治に向かったんじゃと。
暗あい、暗い夜道。男は鼻息荒くおぶされお化けが出るっちゅう峠へやって来た。
しばらくすると。
「おぶされ~おぶされ~」と薄気味悪い声が聞こえてきた。
「おっ出おったな」
どっこいしょとかがみ込み「さあ、乗れ」男は言った。
だがなんにも起きん。
また声が聞こえる。
「おぶされ~おぶされ~」
「だから、乗れっちゅうに!」
「おぶされ~」
「だから乗れ!」
と。
ずしりと男の背中に何かが乗った。
「ほっ。これはずいぶんと重い瓢箪じゃわい」
男はそういうと持って来た縄で後ろのものを縛り上げる。
よいしょ、よいしょ、ととうとう家まで帰ってきた。
「帰ったぞ~」
嫁さんはまんじりとせず待っていた。声を聞いて慌てて飛び出すと、男の背中には大きな壺が縛られとる。
中をおそるおそる開けてみると、そこには壺いっぱいの小判がざくざく。

それからというもの。臆病じゃった男とその嫁さんは、夫婦二人で幸せに暮らしたそうじゃ。

とっぺんぱらりのぷう。

« 右手の親指が痛い。 | トップページ | 昔話のしめことば。 »

コメント

昔話、面白い。
奥さんの、機転の利いたトンチ話とか多いですね。

僕の祖母の家が、
外にトイレがあって、
まぁ真っ暗じゃないけど裸電球が1個ぶら下がってるだけで、
アレは怖かったなぁ、
というのを思い出しました。

面白いですねえ。
僕は漱石の「夢十夜」を思い出しましたが・・・w。

 とりあえず、とっぺんぱらりのぷう、が懐かしかったですww。

たこすけさま。
昔のトイレって、怖かったんだろうな・・・て
思います。今が当たり前だと、そりゃ、怖いわ、と。
昔話って、頼りない男が女性に助けられる話が
意外なほど多いですよね。そこがまた現実っぽくて
好きです。

Firoswiさま。
漱石の夢十夜・・・読んだことないです。
少し頭にひっかかってはいたのですが。
今度、読んでみます。

しかし、とっぺんぱらりのぷう、そんなに
有名ですか?

とっぺんぱらりのぷぅはよく聞いた。

うち、おじいちゃんちが昔のつくりだったから、
私が小6くらいまで、トイレ、外で、男女共同で裸電球1つだった。

当然私が一人でいけるわけがない(笑)

やっぱりよく聞いたんだ。
そうなんですねえ。

トイレ・・・そうですか・・・。私、そういうのって
体験したことがないのですが・・・怖いでしょうね。
きっと夜は我慢しておねしょすることが多かったろうな
・・・私だったら。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/105683/10052663

この記事へのトラックバック一覧です: 昔読んだ昔話。:

« 右手の親指が痛い。 | トップページ | 昔話のしめことば。 »

最近のトラックバック