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2005-09-12

『死神の精度』

先日来、気になっていた同書。
昨日、日曜日だというのに、片道1時間30分はかかるキャンパス本部へ
行くことになった私は、京都駅のイノダコーヒで早めの昼食をとるにあたって
気晴らしに買うことにした。

おもしろい。その日のうちに読んでしまった。1日で読んでしまうのは
実に久しぶりのことだ。

6篇の短編からなる小説である。
主人公は死神の千葉。ターゲットの死ぬ予定の8日前に現れ、その後の
7日間でターゲットは死ぬにふさわしいかどうかを判断して、本部へ伝える。
「可」の場合、8日目にターゲットは死ぬ。
同僚の中には大して判定もせずに「可」としてしまう人間もいるが、千葉は
仕事はまじめに取り組みたいので、できる限り厳密な審査の上に判断を
下す。しかしこの仕事は半ば儀礼的なもので、死神が判定を「可」とせずに
「見送り」にした例はほとんどない。それでも彼はまじめに仕事をこなす。
彼が仕事をするときには決まって雨が降る。
彼は無類の音楽好きで「人間の生んだ最大の産物は音楽で、最悪の産物は
渋滞だ」というのが彼の信念である。
いささか人間界に不慣れなため、ときどきちぐはぐなことを言って、相手から
「おもしろいな、あんた」といわれ、その度に自分はいつもまじめなのに、と
内心、気分が悪い。
素手で人間に触ると相手の寿命を1年縮めてしまう上に、相手は気絶してしまう
ため、素手で触らないように規定されているが、ときどき触ってしまう。

私はネガティブなアウトローがすきなんじゃないかと思う。つまり本人はいたって
平凡なつもりが、世間からはみ出しているタイプである。
村上春樹の「僕」や、森見登美彦の太陽の塔の「森本」のように。そしてこの本の
千葉のように。

ありえないくらい変なシチュエーションが多い。第1話「死神の精度」の出だしは
ともかくとして、かなりおかしな状況で千葉の仕事は遂行される。
死神は病死や自殺には関係しないそうで、他殺または事故が対象のために
これだけおかしなことになるのかもしれないが、それにしても異常な状況が多い。

しかし、最後の「死神VS老女」は非常に素敵な話だったし、読後感はとても爽やかだ。
最近は読んだ本がはずれだったことはほとんどないけど、その中でもかなり良書だと
思う。

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